★ [研究] 第63回日本公衆衛生学会総会参加記
島根県松江市で開催された第63回日本公衆衛生学会総会に参加してきました。3日間にわたる公衆衛生分野の祭典のような学会ですが、前後に予定が入っていたため、私は二日目のみ日帰りで参加してきました。
よりによって羽田空港のシステムトラブルで出発が45分ほど遅れてしまい会場に到着したのは、11時ごろでしたが、以前の私の研究成果をもとに実践を進めておられる方が発表されていました。「ご本人に会えただけでも学会に来た甲斐がありました」と社交辞令とは思いますがおっしゃっていただいたのですが、僕のほうこそ研究・実践が進んでいることに大変感謝していることをお伝えしました。
午後の私の中でのメインイベントは、Harvard Univ.のDr. Ichiro Kawachiの教育講演でした。今月(2004年10月)に「不平等が健康をそこなう」という訳本の出版にあわせての来日かとも思いますが、「健康に対する社会的決定要因」について特に経済的格差(不平等)が健康に与える影響の大きさと、一方で医療機関の存在の功罪をいろいろな意見を取り上げつつ話されていました。
最後の質疑応答の中で、日本の終身雇用制度の終焉は労働者の不安を高めストレスフルにさせるという点で、公衆衛生上の大きなリスクファクターとなりうることを強調されておられたように思います。
大学院にいた時に、しばしば論文が取り上げられていたSocial Capital(社会関係資本)についても話を伺いたかった気がします。(Dr. Kawachiの解説文、大規模調査のFAQ)
アメリカが日本の倍近い対GDP医療費を支出しながら平均寿命が3年近く短いことを踏まえると、日本人がなぜ長生きなのかについてはもっと考えていかないといけませんね。
学会終了後は島根県立美術館から宍道湖の西岸に沈む夕日を眺めて、すぐさま空港へ。慌しい一日でした。